にのだん社会保険労務士事務所

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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和6年9月号(No.58)

【①令和6年10月変更・地域別最低賃金】

 先日、ニュースで和歌山県の地域別最低賃金が10月から980円に改定される見通しであることが取り上げられていましたが、ほぼこの金額で間違いないと思われます。現状では929円となっているので、今回51円の増額となり経営者さんにとっては本当に厳しい話かと感じます。

 前にもお伝えしましたが、私が求人広告会社に転職した2005年当時、求人募集の時間給の底値は650円であったと記憶しています。それと比較すると20年で約1.5倍に上昇したことになります。

 金額だけを見れば「人件費が昔より大幅に上がった」という声が多く聞かれます。しかし、この1.5倍の上昇を最近の物価上昇と比較するとどうなるか?例えば私が転職前に勤務していた食品スーパーでの玉子の価格を思い出すと、相場の変動があるとはいえ特売では1パック90円台(実際は原価割れ)で販売した記憶があります。しかし現在、広告の品で148円が多いと感じます。(128円の場合もあるかもしれませんが、サイズはMSと小さいサイズになることが多いと感じます) 

 またコメの価格が急上昇し、かつて10キロサイズが安い時に3,000円程で購入することが出来たにも関わらず、最近では6,000円近くが当たり前で売場が空っぽになっていることも見受けられます。

 その他、牛丼が安い時に250円だったのが500円近くにガソリン代や電気、水道、ガスなど光熱費も上がり続けており、全てではないですが負担額が20年前より1.5倍をはるかに超えてアップしているものが多いかもしれません。中には価格を維持している商品があるかもしれませんが、容量が昔より小さくなったいわゆる「ステルス値上げ」も多くなった印象があり、今後も賃上げは避けられないのかもしれません。

 毎回、最低賃金がアップするタイミングで案内しているのが「業務改善助成金」です。事業場内最低賃金の底上げにあわせて業務を改善する設備等を購入した時に利用出来る可能性が非常に高い助成金です。詳細についてお気軽にご相談ください。

【②頑張ると努力の違いについて考える】

 今年の夏の甲子園で選手宣誓にあった「努力したからといって報われることはない。しかし努力しなければ報われることもない」という言葉が私の心の中に響き、大変感銘を受けました。

 改めて「努力」という意味を調べようとすると「頑張ると努力の違いについて」の記事が多く掲載されていました。あまり違いについて考えたことがなかったため自分自身にとっての「過去の努力」を思い出してみました。

 中学校入学から高校卒業まで最も取り組んだのが「走る」ことでした。小学生の時は全くの運動音痴だった体を鍛える目的で入部した陸上部でひたすら走り続け、目覚ましいような成績はなかったですが、スタート時と比べると自分がたくましくなったことは間違いないと感じるくらい体育が好きになっていました。

 中学3年生の時に顧問の先生が教える地理の授業で「二之段は努力家や。コツコツ努力した結果あんなに走りが速くなって嬉しかった」と私のことを目の前で話し出した時はとても恥ずかしかったですが、他のクラスの授業でも同じ話をしていたことを後から聞いた時、先生が話した「努力」という言葉が自分にとって最大の誉め言葉であり「あの時は本当に嬉しかったなあ」と今でも思い出します。

 その後、自分自身の中で最も努力したといえるのが社会保険労務士試験に合格するまでの5年間です。年に1回、8月の最終日曜日とモチベーションの維持が本当につらい季節の中の試験で仕事の合間の勉強に集中出来ない時は図書館に行くなど、家族サービスも犠牲にしながらほぼ独学でやっと合格出来た時「努力が報われた」と実感出来た瞬間でした。しかし、それがゴールでないことは今までの経過が物語っています。試験に合格しただけでは決して食べていけません。51歳になった今もコツコツ努力をすることの大切さを身に染みて実感します。

 会社お店で働いている従業員さんについて普段知ることのなかったプラスな一面を見つけることが出来た時「あんた仕事頑張ってるなあ」と一言声掛けするだけで従業員さんは喜ぶのではないでしょうか?また日頃から従業員さんがコツコツ取り組んでいることがあり、それが達成出来たことを知った際「あんた今までの努力が報われたなあ。本当に良かった」と皆の前で褒めてあげることで従業員さんはとても喜び、自身の努力が報われたと感じるのではないでしょうか?

 人を直接褒めるのは恥ずかしいことかもしれません。しかし上司が従業員の頑張りや努力を共に喜び、評価することの出来る職場はとても素晴らしいと感じます。

~最後までお読み頂きありがとうございました~